第4章:見えざる力と通貨発行権への問い
サトコの目覚め ― 透かし見た通貨の真実と未来への不安

サトコの目覚め

第4章:見えざる力と通貨発行権への問い

国債や税金の調整の裏には、
さらに根本的な疑問が潜んでいる。

サトコは、「通貨発行権」は
そもそも誰のものなのか、という問いに突き当たる。

「なぜ、政府は自ら通貨を発行できず、
中央銀行にその実権を委ねなければならないのか?」
と、
彼女は真剣な表情で資料を読み進める。

歴史をさかのぼると、
戦後の制度設計や国際金融の枠組みの中で、
政府は自国通貨を直接発行する権限を失い、
結果として
中央銀行にその役割を委ねることになったという背景がある。
サトコは、日銀が持つ独立性と、
政府が国債を発行するという仕組みが、
国民の税負担や未来に
どのような影響を与えているのかを改めて考察する。

もし政府が直接通貨発行権を持っていれば、
国債発行での借金返済や利子支払いの必要はなくなるはず…

彼女は、
友人とのディスカッションやオンラインセミナーの中で、
多くの意見を吸収しながら、
経済主権とは何か、
そしてその権利が失われた結果、
私たちの未来がどれほど閉塞的になっているのかを見つめ直す。

サトコは、
通貨発行権の帰属問題が、
単なる金融理論を超え、
私たちの日々の暮らしや将来の家族、
次世代に直結していることに気づく。

そして、それこそが
「私たちの未来を取り戻すために、まず何をすべきか」
という問いへの起点であると確信する。

彼女は、これまでの調査の成果を、
自身の言葉に変えて発信していく決意を深めるのだった。

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