第3章:税金という名の調整装置
サトコは、経済システムの問題を追求する過程で、
次に「税金」の真意に迫ることになる。
普段、私たちは
「税金は公共サービスのために集められている」と
信じがちだが、
資料や複数の視点から知ると、
実はその一部が国債の返済、
すなわち国家の借金の調整に充てられている
現実が浮かび上がる。
ある夜、彼女はパソコンの前に座り、
政府の予算案や財務省の資料を読み漁る。
国債費という項目には、
国債の元本返済や利子支払いに充てられる金額が計上されており、
これが国民の税金から捻出されていることがわかったのだ。
サトコはふと、
自分がどれほどの税金を納め、
そしてそのお金が実はどこに使われているのかを考えるようになる。
「私たちが働いて得た給料、その一部は、
国家の借金返済のために回されている。
公共サービスに使われるはずのお金が、
いつの間にか『永遠の借金』と化しているのかもしれない」
と、彼女は内心で呟く。
また、サトコは税金の徴収が単なる資金調達だけに留まらず、
インフレーションの抑制や富の再分配、
行動誘導など、複合的な役割を果たしていることも学ぶ。
しかし、これらの機能が十分に果たされず、
一部の利権や借金返済のために税が使用され続ける現状に、
強い矛盾と危機感を覚える。
この問題に対して、サトコは静かに決意する。
「国家の財政がこのような仕組みに縛られている以上、
私たち国民は本当の意味で
安定した未来を手に入れることができないのかもしれない」
と。
税金の使途、
そしてそれに連なる国債の返済の実態を、
彼女はより多くの人々に知ってもらうために
記録しようと心に決めるのだった。