■私たちはこの 30 年、国家経営を根本的に間違えた

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こんにちは、\Soujya です。/

以下は、フェア党「号外」からの紹介です。
http://www.fair-to.jp/wp-content/uploads/2016/11/tabloid_201611.pdf


<引用開始>

世界一の金持ち国

まずは、上記の表をご覧ください。これは主要国の対外純資産です。
対外純資産とは、
海外に貸している資産から、
海外から借りている債務を引いたものです。
資産とはあらゆる海外の民間、政府などへの
投資(米国債や株式など)の合計であり、
債務は海外からの投資(日本国債や株式などへ)の合計で、
その差し引きが対外純資産です。
つまり、日本は国家として(政府と民間の合算で)、
どの国よりも差し引き資産が多い、
世界一の金持ち国なのです。
しかし、多くの人にその実感がないのは、
実はこの巨額の対外資産こそが
私たちを苦しめる元凶であり、
30 年間に及ぶ国家経営の根本的な過ちの産物だからです。

対外資産は外貨で積み上がる

日本が 366 兆円もの世界一の対外純資産を持つようになったのは、
貿易黒字を稼ぎ続けたからです。
日本は戦後、輸出加工業で復興を遂げました。
外貨も資源もなかった日本は、
原材料を輸入して加工し、外貨を稼ぐしかなかったわけです。
それが大成功して奇跡的な復興を遂げましたが、
少々やり過ぎました。
その結果、日米貿易摩擦を生み、
1985 年のプラザ合意による
ドル安円高で修正を迫られたのですが、
一時的に内需拡大と黒字減らしに
成功したものの、バブル崩壊と共に
また元の路線に戻ってしまいました。
結局、バブル崩壊後、
昔の成功体験にしがみつく形で
景気回復を図り、そこから 366兆円もの黒字を
稼ぎだしたのですが、
それが我々の悲劇の元なのです。
当たり前の話ですが、
貿易は基本的に外貨で決済されます。
したがって、黒字も外貨で貯まります。
つまり、366 兆円の黒字と言っても、
財務省がそれを円換算して発表しているだけで、
実際は 3 兆ドル分の外貨なのです。
ですから、
それは日本には入ってきません。
円に換えて持ち込めば良いと思うかもしれませんが、
366 兆円もの円を
日本人以外の誰が売ってくれるのでしょう。
3兆ドルの外貨は、
日本人が円を売って得たものではなく、
黒字として積み上がったものですから、
海外勢がその分の円を持っているはずがないのです。
仮に持っていたとしても、
その円は日本人の誰かが外貨と引き換えに売ったもので、
その外貨は日本人所有のままです。
つまり、差し引き 3 兆ドルもの対外純資産は、
結局日本人同士で売り買いしながら、
ババ抜きのババのように、
日本人の誰かが外貨のまま持ち続ける
ことになります。
そして、それは
日本では
使うことも運用することもできませんから、
基本的に海外に貸しっ放し
いうことになるのです。

366 兆円タダ働き

プラザ合意以降の急激な円高の中、
輸出を拡大することは容易ではありません。
円相場が 200円近くから 79 円台まで 2.5 倍も
暴騰しているということは、
同じ 1 万円の製品が 50 ドルから125 ドルと
2.5 倍になるということです。
その中で輸出し続けるには
コストを削るしかありません。
輸入の原材料費はすでに円高で
2.5 分の 1 になっていますから、
他に削るとしたら販売管理費、
人件費など、要するに国内に回るお金です。
その目先のコストカットを血眼になって
やり続けた結果、
どうなったでしょう?
国内にお金が回らなくなり、
デフレスパイラルに陥りました。
その一方で
日本の輸出産業は黒字を稼ぎ続け、
実に366兆円分もの外貨を稼いだのです。
しかしすでに説明した通り、
黒字として貯まった外貨は海外に貸しっ放しで
日本には入ってきません。
つまり、日本の労働者は
受け取れないのです。
その黒字を生みだすために、
長時間労働、サービス残業など、
無理なコストカットの
犠牲になっているのにも関わらず、
その対価は受け取れない。
366 兆円分のタダ働きということです。
そして、頑張れば頑張るほど黒字は増え、
それがまた自分たちの首を締める。
完全な自縄自縛に陥っているのですが、
これは日本の生産性の問題ではなく、
国家経営の根本的な過ちなのです。
日本の生産性は、
世界一の対外純資産で証明されています。
30 年以上常に、
自分たちが消費する以上の価値を
世界に提供し続けたから
世界一の黒字が貯まるのです。
しかし多くの人がそれが実感できないのは、
国家経営を根本的に間違えたからです。


国家経営の本質とは何か

我々の過去
35 年の国家経営の根本的な誤りは、
それを企業経営と同じように行って来たことです。
企業経営の目的は利益の最大化であり、
売上を上げてコストを下げようとします。
それを
国家経営に当てはめると、
海外から少なく買ってたくさん売る、
つまり経常黒字を稼ぐということになります。
それが正に我々がやって来たことで、
やり過ぎて自分たちの首を締めているわけです。
確かに、日本のような資源のない国は、
国家として自立するために外貨が必要です。
ただ、それには収支がバランスすれば十分で、
日本のように世界一の対外資産を持っているなら、
当分は若干マイナスでも
ちょうど良いぐらいです。
その上で我々が考えなければならないのは、
いかに国内でお金を回すか。
したがって、目先のコストを
削ることばかりを考えるのも間違いです。
もちろん、
一企業や一家庭、一個人レベルで考えれば、
それが必要な場合もあるでしょう。
しかし、国家レベルで考えれば、
誰かのコストは必ず誰かの売上または給与であり、
コストが高ければ高いほど、
売上や給与も上がるのです。
ですから、本来の国家経営とは、
経常収支(海外との収支)をバランスさせつつ、
国内のコスト(=みんなの売上・給与)を
最大化させること。
そうすればお金は海外に出て行くことも、
国民がタダ働きすることもなく、
お金は天下の回りものとして巡り、
国内経済を活性化するのです。
GDP でこれを表すと、
GDP=G(政府支出)+C(消費)+I(投資)+EX(貿易黒字)
である中、EX(貿易黒字)を増やすのではなく、
それ以外を増やすということです。
ただ、一つだけここで大事なことがあります。
それは決してお金の金額で考えないこと。
ただお金を回して
GDP を上げれば良いというのは
浅薄な考えです。問題は金額ではありません。
お金は全くどうでもいいのです。
大事なのは、それで何をするか。
何故なら、
お金はいくら回ろうが右から左、
グルグル回るだけで
何も失われませんが、
それで動かす人の時間と労力は、
一度使われれば二度と返って来ないからです。
ですから、国家経営で最も大事なことは、
いかに今生きている人々の時間と労力を
大切にするか
そして本当に意味のあることに
それを使うか。
そのためには、それらを無駄にするような
障害を除去すること、
そして明確な方向性を持つこと。
それが本来の国家経営であり、
それを実行するのが政治の役割です。

<引用終り>